最初の一粒が疲れた身体に落ちる時

そのまま溶けてゆく忘れ物

 

姿を見せずに喜びに沸くカエル

天に突き刺す傘

拍子つける雨音

 

滲んだ世界をその傘閉じてゆけ

嗚呼 雨の中をその傘閉じてゆけ

 

最初の一粒が疲れた頬を伝う時

そのまま溶けてゆく忘れ物

 

五月雨に打たれて木陰で休む鳥

想い出すたびに鼻突く草の匂い

 

滲んだ世界をその傘閉じてゆけ

嗚呼 雨の中をその傘閉じてゆけ

 

移りゆく季節の中で

僕の声も聞こえない程の

この雨を身体に受けて

 

滲んだ世界をその傘閉じてゆけ

嗚呼 雨の中をその傘閉じてゆけ

 

この傘閉じてゆけ

この傘閉じてゆけ

この傘閉じてゆけ

この傘閉じてゆけ